ホバーマン・スフィア
暑い日が続きますね。
一昨日に土用に入り、同日梅雨明けしました。
天気のモードも次のステップに進んだ感じで、空気の質も変わったように感じます。
早速、梅干しの土用干しをしたり、ソファーのカバーを洗ったり、洗車したり、太陽の熱を最大限に活用しています。
先日読んだ本がとても面白かったです。
「禅の教室」 /藤田一照・伊藤比呂美著 / 中公新書
詩人の伊藤比呂美さんが、曹洞宗僧侶の藤田一照さんに、禅について問いながら理解を深めていくという内容でした。
藤田さんは、座禅の準備として体の軸を整えるお稽古をされています。体の関節それぞれがスムーズに動くと体全体も柔らかく動く、心身ともに伸びやかな状態で座る、それを目指されています。その中で、全体性のモデルとして出てきたのがホバーマン・スフィアです。1箇所を動かすと連動して動き、大きく広がったり小さく縮まったりするおもちゃです。
藤田さんのお話(以下引用P117~118)。
「……どこか一ヶ所を輪ゴムか何かで縛って固定してみてください。ほら、ほんの一ヶ所、ちょっと拘束するだけで、他の部分を引っ張っても動かなくなる。頑なな心のモデル。」
「他が全部スムーズに動かなくなるわけですよ。体でも、どこかにしこりや痛みがあると、他の所も自由に動かせなくなるじゃないですか。だから「私は体のここが硬いから」と言って、そこをぎゅーっと伸ばそうとよくするけれど、このホバーマン・スフィアだったらそんなことするとどこかがバキッと壊れてしまうというのはよくわかるでしょ。そこが硬いのは結果であって、原因は他にあるかもしれない。原因をほったらかしにして、結果だけを無理矢理変えようというのはまずい。僕はそれを原因と結果の混同と言うんだけど、解決を焦るよりまず全体をよく見ないといけないんです。」(引用ここまで)
施術をしている中で、硬くなり痛みのある箇所を強く押圧してほしいと要求されることがあります。反応点は施術点でもあるので、もちろんその箇所を柔らかくし、痛みを取り、中庸に戻すことも大切です。ただ、その箇所を硬くし痛めているのはその場所自体が原因かというとそうではないことも多いです。いわゆる火事の時に警報器を止めて火が消えていない状態です。不調の原因は、エネルギーの流れの滞りだったり、臓腑の疲弊であったり、マインドの偏りであったり。一歩進んで、全体を見て中庸に向かって体を整えることが必要になってきます。まさに、ホバーマン・スフィアのような全体性を目指して。
ホバーマン・スフィアを見ていたら、まるでしなやかな踊りを見ているようだと思いました。
イメージはフラメンコダンサーのファルキート。彼の踊りを見ていると、竹のようだなぁといつも思います。
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